153:蒼井紫苑は嫉妬で狂い、その場でバレてしまう!

来訪者は白いマスクをしていたが、蒼井紫苑はすぐに気づいた。

これは。

蒼井華和だった。

蒼井紫苑は目の前の光景を信じられず、全身の血が逆流し、足元がふらつき、数歩後ずさりした。

幸い、周防俊希が後ろから彼女の腰を支えた。

周防俊希は声を潜めて言った。「紫苑、大丈夫?」

「だ、大丈夫です。」蒼井紫苑は落ち着こうと努め、まず前にいる白鷹博雅と蒼井華和を見て、それから周防俊希を見た。「先輩、あの、あの方がJ様なんですか?」

周防俊希も顔を上げて見て、眉をひそめながら言った。「J様がそんなに若いはずないだろう?」

白鷹博雅と一緒に立っている少女は、マスクをしていて顔はよく見えないが、全体的な雰囲気から見て、せいぜい十六、七歳くらいにしか見えなかった。

J様がそんなに若いはずがない?

「J様のアシスタントかもしれないね。」周防俊希は付け加えた。

蒼井紫苑はうなずいた。

そう。

きっとアシスタントだ。

蒼井華和がJ様のはずがない。

絶対にありえない。

田舎出身の野育ちの娘で、今でも高校三年生なのに。

J様って誰?

生物学界の著名な大物だ!

そう考えると、蒼井紫苑の気分は少し良くなった。

蒼井紫苑と周防俊希だけでなく。

研究室の他のメンバーも非常に興味津々だった。

あの若い少女は一体誰なのか?

J様のアシスタントだとしても、それはすごいことだ。

結局、J様は普通の人ではないのだから。

そのとき、白鷹博雅は蒼井華和を連れて皆の前に来た。

「皆さんに紹介します。この方々は『復明者計画』に参加しているチームメンバーで、KV研究室帝都支部の全メンバーです。こちらがチームリーダーの周防俊希、副リーダーの真壁和真、そして我々の研究室唯一の女性メンバー蒼井紫苑です。」言い終わると、白鷹博雅は続けて言った。「そしてこちらがJ様です!」

この言葉が出た瞬間、群衆の中は静まり返った。

J様?

J様がこんなに若いなんて!

しかも女の子だった。

もともと蒼井紫苑がKV研究室にいることは非常に珍しいことだった。生物学で大きな成果を上げる女性はほとんどいないからだ。

でも思いもよらなかった......

あの有名なJ様が若い女の子だったなんて。

最も重要なのは、彼女の年齢が彼らよりも若く見えることだった。

恐ろしい。