来訪者は白いマスクをしていたが、蒼井紫苑はすぐに気づいた。
これは。
蒼井華和だった。
蒼井紫苑は目の前の光景を信じられず、全身の血が逆流し、足元がふらつき、数歩後ずさりした。
幸い、周防俊希が後ろから彼女の腰を支えた。
周防俊希は声を潜めて言った。「紫苑、大丈夫?」
「だ、大丈夫です。」蒼井紫苑は落ち着こうと努め、まず前にいる白鷹博雅と蒼井華和を見て、それから周防俊希を見た。「先輩、あの、あの方がJ様なんですか?」
周防俊希も顔を上げて見て、眉をひそめながら言った。「J様がそんなに若いはずないだろう?」
白鷹博雅と一緒に立っている少女は、マスクをしていて顔はよく見えないが、全体的な雰囲気から見て、せいぜい十六、七歳くらいにしか見えなかった。
J様がそんなに若いはずがない?