161:彼女は唯一の、華和の初キス!_2

如月廷真の心臓は激しく鼓動していた。

全身に力が漲っていた。

自分がこんなに速く自転車を漕げるなんて、今まで知らなかった。

この光景は、車の中で様子を見ていた若者も驚かせた。

彼は完全に呆然としていた。

「マ、マジかよ!」

こんなことも可能なのか?!

ナンパってこんなに簡単?

しかもこんな美人な子相手に。

実際に見なければ、誰が信じるだろうか?

勉強になった、勉強になった!

実践は真理を生むというが。

ちょうどそのとき、横を若い女性が歩いてきた。

若者は咳払いをして、「お嬢さん、乗っていきませんか?」

若い女性は彼を一瞥して、「送ってくれるの?」

「うん。」若者は頷いた。

若い女性は近づいてきて、「3号線の駅の近くまで行きたいんだけど、いくら?」

若者は先ほど見た光景を真似て、「料金はいりません。キスしてくれたら、無料で送ります。」