蒼井修誠は頷いて、「それは本当に縁があるね。華和、帝州大学に行ってみたら?」と言った。
蒼井華和は当然、帝州大学の名声を聞いたことがあり、それが世界的に認められている大学であることも知っていた。
彼女は帝州大学の招待状をめくりながら、「考えてみます」と答えた。
他の人なら、きっと喜んで飛び上がっていただろう。
しかし蒼井華和は、淡々とした表情を浮かべていた。
まるで、何事にも心を動かされないかのように。
蒼井修誠は笑いながら、「いいよ、華和。どの大学に行きたいか、パパとママは支持するからね」と言った。
蒼井遥真は立ち上がって、「紅音、招待状を見せてくれないか」と言った。
帝州大学は、すべての受験生の夢だった。
蒼井遥真でさえ、一度は行ってみたいと思っていた。
しかし、残念ながら。
当時の彼は帝州大学からの招待状を受け取ることはなかった。
蒼井華和は招待状を蒼井遥真に渡した。
蒼井遥真はそれを受け取り、写真を撮ってWeiboに投稿した。
蒼井遥真V:若かりし頃の夢を、妹が叶えてくれた。[画像jpg]
写真は当然、招待状の表紙だった。
この投稿が出た瞬間、コメントは一気に一万を超えた。
【お姫様最高!】
【俺ずっと帝州大学なんて存在しないと思ってたけど、まさか現実に招待状もらえる人がいるとは。】
【この招待状、見た目からして高価そう。】
【やっと帝州大学の招待状を見ることができた。】
【お姫様すごすぎる。お姫様を見習わなきゃ!】
【帝州大学の招待状に散りばめられた金色の粉は本物の金だって聞いたけど、私たちもいつかこんな招待状もらえるのかな?】
【それは来世かな?】
【地図にも載っていない帝州大学。お姫様最強!】
【うぅ、蒼井家の兄たちみんなお姫様を甘やかしてるみたい。】
【こんなお姫様誰が愛さないの?もし私の妹だったら、お守りにしちゃう。】
【なんて素敵な妹なんだ!今日も兄を羨ましく思う一日!】
以前、蒼井遥真が蒼井華和に関する投稿をすると、コメント欄は華和がこんな素晴らしい兄を持っていることを羨むものばかりだった。
しかし今は。
状況は一変した。
みんな蒼井家の兄たちを羨むようになった。
蒼井紫苑が蒼井遥真のこの投稿を見たとき、彼女は研究室で実験をしていた。