173：朝比奈瑠璃の絶望、華和が動く！_3

彼女の今の望みは、この双子の子供たちだけだった。

幸い、土方静馬はこの双子について何も言わなかった。

その後の二日間、朝比奈瑠璃は閉じ込められたままだった。

彼女はそのまま床に座り、窓の外を虚ろに見つめていた。

その目は既に生気を失っていた。

今の彼女が一番恐れているのは日が暮れることだった。

彼女は黒川振一をより恐れており、あのシーンを思い出すだけで吐き気を催した。

本当に吐き気がした。

「華和......」

朝比奈瑠璃は窓を見つめ、目は既に腫れ上がっていた。「華和、いつ私を迎えに来てくれるの？」

「華和！」

しばらくして、朝比奈瑠璃は若松美智子のことを思い出した。

「お姉さん。」

若松美智子は彼女を救うと約束したのに。

若松美智子はいつ来てくれるのだろう？

そのとき。

窓の外で再び子犬の鳴き声が聞こえた。

「ワンワンワン......」

残念ながら、二日連続の犬の鳴き声も朝比奈瑠璃の疑いを引き起こすことはなかった。

もし彼女があの窓を開けていれば。

見えたはずだった。

土方静由が窓に面した竹林に立っているのを。

しかし残念なことに。

彼女はそうしなかった。

一方。

橘忻乃は既に七日間の旅行計画を立てていた。

彼女は計画表を四人グループに送信した。【華和兄、詩瑶、問題なければ明日出発しましょう。】

蒼井華和と結城詩瑶をメンションした。

朝比奈瑠璃は以前から実家で両親と過ごすと言っていたので、彼女はメンションしなかった。

結城詩瑶はすぐに返信した。【私は大丈夫です。華和兄はどう？】

蒼井華和もすぐに返信した。【いいよ、ちょうど戻ってから一緒に河内市に行って、志願票も出せる。】

橘忻乃はとても嬉しそうだった。【じゃあ明日朝10時の飛行機で、午後1時に空港で会いましょう？】

【いいよ。】

【ビデオ通話しましょう？タイピング疲れた！】結城詩瑶が提案した。

【いいね。】

三人でビデオ通話を始めた。

「華和兄、忻乃！」結城詩瑶は笑顔で二人に挨拶した。

橘忻乃は続けて言った。「航空券買った？」

「買ったよ。」

蒼井華和も「私も買った」と言った。

そう言うと、何か思い出したように続けて尋ねた。「この数日、司緒と連絡取った？」

橘忻乃は首を振った。