166：各名門校に引っ張りだこの華和_6

「蒼井先生......」

父親として、各大学の指導者たちが自分の娘を争って求めているのを見て、少しも浮かれていない、少しも誇りに思わないというのは嘘だろう。

蒼井修誠は今や全世界に蒼井華和が自分の娘だと宣言したいくらいだった。

数人の学校幹部が去った後、蒼井修誠はソファから立ち上がり、階段を上がっていった。

そのとき。

蒼井大婆様が杖をつきながら、外から中へと歩いてきた。「長男！」

「母さん」蒼井修誠は振り返った。

蒼井大婆様は10分前まで外で買い物をしていたが、突然蒼井華和のことを聞いて、すぐに戻ってきた。「華和が...」

彼女の言葉が終わらないうちに、蒼井修誠は頷いて笑いながら言った。「そう、華和は今年の全国統一試験で首席、六科目全て一位だよ」

それを聞いて、蒼井大婆様はその場で呆然とした。

しばらくして、やっと我に返り、大声で笑った。「素晴らしい！本当に素晴らしい！さすが私の実の孫娘だわ！」

蒼井修誠も心から笑った。

実の孫娘？

階段の入り口まで来ていた蒼井紫苑はちょうどその言葉を聞き、目の奥に暗雲が過った。

この家で彼女だけが蒼井大婆様の実の孫娘ではない。

彼女にはよくわかっていた。蒼井大婆様のこの言葉は、わざと彼女に聞かせたものだと。

この家は常に彼女が部外者であることを思い出させる。

蒼井紫苑は手すりをきつく握り、力が入りすぎて指の関節が白くなっていた。

待っていろ。

いつの日か、彼女があの恐れられている大物と結婚したら、今日の仕打ちを後悔させてやる。

静園さんと結婚できなくても。

次善の策として。

白川さんだって蒼井家が手を出せる相手ではない。

そう考えると、蒼井紫苑は目を細めた。

彼女が結婚したいと思えば、白川さんを心から虜にすることもできる。ただ、今は最大の獲物を待っているところだ。

彼女は諦めきれなかった。

蒼井家の者たちを後悔させてやる！

特にあの老婆を。

そのとき、蒼井陽翔が贈り物の箱を持って帰ってきた。

「お兄様」蒼井陽翔が帰ってくるのを見て、蒼井紫苑はすぐに迎えに行った。

この家で、蒼井陽翔だけが彼女に家族の温もりを感じさせてくれる存在だった。

「紫苑」

蒼井紫苑は笑顔で言った。「お兄様、今日はどうして突然帰ってきたの？」