ここまで話すと、黒川振一は銀行カードを取り出してテーブルに置き、「このカードには五十万ちょうど入っています!暗証番号は8が六つです。おじさん、おばさん、このカードを受け取ってください!」
これを見た周防翠子は慌てて立ち上がり、「強平!私は反対よ!」
この五十万は黒川振一が一生懸命稼いだものだった。
「母さん!私を死なせたいんですか!」黒川振一は周防翠子を見つめた。
この言葉に黒川幸太は驚き、それまで黙っていた彼はすぐにソファから立ち上がった。「黙りなさい!強平の言う通りにするんだ!」
そう言うと、彼は橘秀実と若松山根の方を向いて、「七宝父さん、七宝母さん、この件は強平の言う通りにしましょう。五十万はここにあります。残りの披露宴と演奏隊は私たちが負担します。強平は私たちの一人息子です。二人の結婚式を盛大にすることを約束します!」