171:今まで負けたことがないのに、子供に負けた!_6

「申し訳ありません、砂川さん」

老人は怒って電話を切った。

本当に腹立たしい!

......

一方。

奥山村。

若松美智子は朝比奈瑠璃が自分の言葉を聞き入れ、この地獄から逃げ出すと思っていた。

しかし、予想に反して、瑠璃が逃げ出したという知らせは来ず、代わりに結婚の日取りが決まったという知らせが来た。

今月の十八日だという。

若松美智子は途方に暮れ、人気のない時を見計らって、再び朝比奈瑠璃を訪ねた。

「五妹!」若松美智子は朝比奈瑠璃を見つめながら言った。「あの人たちはもう、あなたと黒川振一の結婚式を十八日に決めたのよ!どうしたらあなたは私の言うことを信じてくれるの?私があげたお金が足りないの?足りないなら、もっと工面するわ!」

若松美智子は今とても焦っていた。十八日まであと数日しかない。