177:悪因悪果_2

若松美智子は土方鉄平からひどい暴力を受けていた。

土方静由も良い生活を送れていなかった。

「お母さん!」土方静由は若松美智子を強く抱きしめた。

息子の土方静馬も傍らで怯えて大泣きしていた。

土方静馬がベルトを振り上げて打とうとした時、傍にいた篠崎警部がベルトを掴み、軽く引っ張ると、土方鉄平はそのまま地面に倒れた。

土方鉄平が状況を把握する前に、篠崎警部は手錠を取り出し、そのまま土方鉄平に掛けた。

土方鉄平は呆然としたあと、叫び始めた。「何の権利があって俺を逮捕する?自分の子供を教育するのが間違いなのか?」

「よく聞け、土方鉄平。お前は人身売買と児童虐待の容疑で逮捕する。これが逮捕状だ。署で話を聞くから、おとなしく従え!」

土方鉄平は怒鳴った。「自分の子供を叩くのがどうした?何の権利があって俺を逮捕する!この腐れ警察め!」

「大人しくしろ!」

土方鉄平はパトカーに連行された。

若松美智子は二人の子供を見て、「静由、静馬、今すぐ部屋に戻って荷物をまとめなさい。お母さんと一緒にここを出るわ」

土方静由は何も聞かずに、すぐに荷物をまとめ始めた。

彼女はずっとここから、この家から出たいと思っていた。

土方静馬も姉の後に続いて荷物をまとめ始めた。

若松美智子は部屋に入り、土方鉄平の金の隠し場所を探し始めた。

家の農作業のほとんどは若松美智子がやっていたが、穀物と交換した金は全て土方鉄平が管理し、若松美智子はこっそり内緒のお金を貯めるしかなかった。

毎回50銭や1元ずつ、長い時間かけて、若松美智子はようやく800元貯めた。

しばらくして、若松美智子はついに土方鉄平の金の隠し場所を見つけた。

全て新品の100元札だった。

ビニール袋に丁寧に包まれていた。

若松美智子は細かく数えなかったが、厚みから見て、2、3万元はありそうだった。

これがこの家の全ての貯金だった。

若松美智子は金を包み、着替えも何着か用意し、子供たちを呼んで車に乗り込んだ。

朝比奈瑠璃は車の中に座っていた。

そのとき、車のドアが開いた。

蒼井華和だった。

朝比奈瑠璃は急いで尋ねた。「華和、いつ出発するの?」

蒼井華和は優しく微笑んで、「司緒、この人を見て」

そう言って、横に一歩寄った。

若松美智子が二人の子供を連れて朝比奈瑠璃の前に来た。

「五妹」