193:抑えきれない好意!_5

その言葉を聞いて、朝比奈瑠璃はため息をついた。彼女はずっとその道理を分かっていた。

白川さんは名家の子息だ。

彼女は?

誰にも必要とされない孤児で、やっと見つけた実の両親にも酷い目に遭わされた。

朝比奈瑠璃は目を赤くしながら言った。「私は彼との結末なんて望んでいません」

人を好きになることは制御できないものだ。

でも朝比奈瑠璃はまだ幻想を抱いていた。

もしかしたら、もしかしたら本当に王子とシンデレラの恋が実現するかもしれない?

若松美織はそこまでにして、これ以上は何も言わなかった。朝比奈瑠璃は賢い子だと信じていたから。

二人はバス停に向かって歩き続けた。

一方。

病院で。

白川恵美はベッドに横たわっていた。

彼女は家族の長女で、唯一の弟である白川さんより18歳年上で、今年47歳になる。