しかし、彼女は今では完全に過去に別れを告げていた。
でも、司緒の気持ちも分かる。
結局のところ、自分自身でさえ自分の職業を嫌っているのだから。
自分でさえ受け入れられないことを、妹に受け入れてもらえるはずがない!
そのとき、周防紫月は若松美織に挨拶をした。「お姉さん、こんにちは。紫月と呼んでください。」
若松美織は言った。「こんにちは。私は若松美織です。だから司緒はいつも私のことを姉さんと呼んでいるんです。」
「なるほど!」周防紫月は瞬時に納得した。
最初は不思議に思っていた。なぜ司緒が若松美織のことを姉さんと呼ぶのか。そういうことだったのか。
司緒は続けて言った。「紫月さん、白川さんと病院に来たのは、誰か具合が悪いんですか?」
「いいえ」周防紫月は首を振った。「母が少し具合が悪くて、叔父さんと一緒に様子を見に来たんです。でも大したことはないから、心配しないで。」
それを聞いて、司緒はほっとした。
白川さんが具合悪いのかと思っていたから!
よかった、そうじゃなくて。
司緒は頷いて、「そうですか。おばさまが早く良くなりますように。」
「ありがとう」周防紫月は続けて言った。「そうだ司緒、いつ帝都に来たの?私に一言も言わなかったじゃない。華和兄を誘って、一緒に買い物でも行きましょうよ!」
「教育大学に合格して、つい最近帝都に来たところなの。」
「おめでとう!詩瑶と橘忻乃は来てるの?」周防子悠は続けて尋ねた。
帝都大学は一流大学で、地方の人にとってはかなり難しい試験だった。
司緒は答えた。「彼女たちはまだ来ていないわ。」
周防紫月は腕時計を見て、「ごめんね司緒、もう行かないと。病院に行かなきゃ。」
「うん。」司緒は頷いた。
周防紫月は白川さんと一緒に立ち去ろうとしたが、何か思い出したように振り返って司緒に言った。「司緒、華和兄を誘うのを忘れないでね。一緒に遊びましょう!」
「はい。」
司緒は二人の後ろ姿を見送った。
叔父と姪の姿が見えなくなるまで、そして振り返って、「姉さん、私たちも行きましょう。」
「うん。」若松美織は頷いた。
司緒には若松美織の様子が少し良くないように見えた。おそらくその理由も想像がついた。「姉さん、ごめんなさい。」
若松美織は笑って言った。「なぜ私に謝るの?」