196:蒼井さんにお聞きしてもよろしいでしょうか(9更)_3

その言葉を聞いて、蒼井華和の周りの令嬢たちは即座に藤原嵐子の方を見た。

目には驚きの色が浮かんでいた。

藤原嵐子はここ数年ずっと海外で暮らしていたが、帝州大学からの入学招待状を受け取れる数少ないトップ人材の一人として、当時の藤原嵐子も輝かしい存在だった。

蒼井紫苑は口を押さえて、「嵐子姉ちゃん、あなたも帝州大学からの招待状をもらったの?」

「うん」藤原嵐子は頷いた。

蒼井紫苑は続けて言った:「私、聞いたことなかったわ!嵐子姉ちゃん、控えめすぎよ」

「別に自慢することでもないし、わざわざ皆に知らせる必要もないでしょう」藤原嵐子は意図的に蒼井華和を一瞥し、続けて言った:「それに、私は当時帝州大学の二次試験に合格できなかったし」

これは蒼井華和が目立ちすぎることを皮肉っているのだ。

本当の実力者は目立たないものだ。

蒼井華和のように!

まだ何の成果も出していないのに、街中の噂になっている。

まさに道化師そのものだ。

蒼井紫苑は笑って言った:「帝州大学からの招待状をもらえただけでも素晴らしいことよ!」

「大したことじゃないわ」藤原嵐子は淡々と言った。

他の令嬢たちは皆、羨ましそうな表情で藤原嵐子を見つめていた。

藤原嵐子は本当にすごい!

普通の人が帝州大学の招待状をもらうのは、本当に難しい。

今、二人の学力優秀者が向かい合って立っているのを見るのは、とても貴重な光景だった。

すぐに。

来賓たちが揃った。

パーティーが正式に始まった。

今夜、蒼井家が招いたのは、有名なテレビ局の司会者である橘海翔だった。

橘海翔はユーモアのある言葉で、皆を大笑いさせた。

「ここで、今夜の主役である蒼井さんにステージに上がっていただき、一言いただきたいと思います。皆様、拍手でお迎えください!」

周防紫月と話していた蒼井華和は呆然とした。

両親は、このような出し物があることを全く言っていなかった。

周防紫月は笑って言った:「華和兄、早く行きなよ!」

他の人なら、このような注目を浴びるチャンスがあれば、とっくにステージに上がっているだろう。

蒼井華和ときたら。

まだ呆然としている。

周防紫月の促しを受けて、蒼井華和はステージに上がった。

まずは形式的に、会場の来賓たちの臨席に感謝の意を述べた。

事前の準備はなかったものの。