紫苑は陽翔に積極的に紹介した。「お兄ちゃん、この方は私が海外で知り合った親友の嵐子姉ちゃん、藤原嵐子よ」
「蒼井トップスター」
陽翔は藤原嵐子と握手を交わした。「藤原さん」
藤原嵐子は陽翔を見上げて、笑顔で言った。「蒼井トップスターは画面で見るよりもずっとかっこいいわね」
「ありがとう」
紫苑は藤原嵐子を一瞥した。
少し目を細めた。
今夜は来客が多かった。
陽翔は他の人々に挨拶しに行った。
陽翔が去った後、紫苑は小声で言った。「嵐子姉ちゃん、お兄ちゃんのこと好きなの?」
「うん」
藤原嵐子は素直に認めた。
幼い頃から西洋文化の影響を受けて育ったため、藤原嵐子の性格には控えめさが欠けていた。
今は国に戻って少し抑制的になった。
以前海外にいた時は、知らない人とワンナイトを持つことも多かった。
紫苑は笑って言った。「お兄ちゃんと上手くいけばいいのに!私、嵐子姉ちゃんみたいな義姉が大好き!」
「本当?」藤原嵐子は非常に意外そうに紫苑を見つめた。
紫苑は頷いた。「もちろん本当よ」
陽翔という繋がりがあったため、藤原嵐子と紫苑の会話は次第に打ち解けていった。
紫苑の言葉の端々から、藤原嵐子は陽翔が華和を嫌っているということを分析した。
そう考えると。
藤原嵐子は目を細めた。
パーティーは依然として続いていた。
藤原嵐子は続けて言った。「紫苑、お姉さんを紹介してくれない?」
「嵐子姉ちゃん、こっちよ」
藤原嵐子は紫苑の後を追った。
パーティー会場は笑い声が響き、香りと美しい姿が交錯していた。
「華和はどの人?」藤原嵐子は小声で尋ねた。
「白いシャツを着てる人よ」
その言葉を聞いて、藤原嵐子は顔を上げて見た。
精巧なメイクをした令嬢たちの前に立つ少女は、群を抜いて目立つ存在だった。
朱唇皓歯。
藤原嵐子のような美人を見慣れた人でさえ、華和を見て驚きを隠せなかった。
実は。
藤原嵐子はWeiboで華和の写真を見たことがあった。
その時は、華和が写真を加工したのだと思っていた。
そうでなければ、どうしてこんなに綺麗な人がいるのだろうか!
しかし、実際に会ってみると、目の前の少女は、Weiboの写真よりもさらに三倍は美しかった。
「すごく綺麗!」藤原嵐子は思わず口にした。