200:真相は偽妊娠だった!_4

若松冬真は妹のことをよく分かっていた。

若松冬音に自信がなければ、そんな言葉は絶対に出てこないはずだ。

まさか。

彼女は本当に蒼井遥真を手に入れたのか。

若松冬音は若松冬真を見つめ、続けて言った。「お姉ちゃん、正直に言うと、蒼井遥真は今や私のものよ!しかも、私以外と結婚するつもりはないって」

「あなたが?」若松冬真は思わず笑い出した。

蒼井家はどんな家柄だと思っているの?

どうして若松冬音なんかを気に入るはずがない!

「そう」若松冬音は頷いた。「私よ」

若松奥さんはクッションを取って若松冬音の頭に投げつけた。「夢見るのはやめなさい!明日の午前10時に、須藤哲と須藤叔母と一緒にカフェで会うことになってるのよ」

その時。

家政婦が近づいてきて言った。「三女様、お客様がいらっしゃいました」

若松冬音は顔を上げた。「誰?」

家政婦は続けて言った。「蒼井という苗字の方です」

蒼井?

この言葉を聞いて、若松奥さんと若松冬真は少し驚いた。

まさか……

来たのは蒼井遥真?

そう思うと、若松奥さんと若松冬真はすぐに二階のベランダの方へ走っていった。

若松冬音は目を細めて、「彼に伝えて、今は暇がないって」

「かしこまりました」家政婦は玄関へ向かった。

二階のベランダ。

玄関の外に立っている男性を見て。

若松奥さんと若松冬真は呆然とした!

二人とも幻を見ているのかと思った!

あれは!

本当に蒼井遥真だった

若松奥さんと若松冬真は目を合わせ、目の中には驚きの色が満ちていた。

夢じゃない?

蒼井遥真が自ら若松家に若松冬音を訪ねてきたなんて!

しかも、若松冬音は会うのを断ったのだ!

若松奥さんは自分の腕をつねってみた。

痛っ!

すごく痛い!

夢じゃない!

本当に夢じゃないんだ!

夢じゃないと分かると、若松奥さんはすぐに階下へ走っていった。「冬音!一体どういうこと?なぜ蒼井家ニ番坊ちゃんがあなたを訪ねてきたの?」

「見られちゃったんですか?」若松冬音は尋ねた。

若松奥さんは頷いた。「これはいったいどういうこと?それに、あなたはまだここでぼんやりしてるの?早く行って会ってきなさい!蒼井家ニ番坊ちゃんを待たせちゃだめでしょう!自分が天女だとでも思ってるの?」

もし蒼井遥真が待ちくたびれて帰ってしまったらどうするの?