若松冬真は妹のことをよく分かっていた。
若松冬音に自信がなければ、そんな言葉は絶対に出てこないはずだ。
まさか。
彼女は本当に蒼井遥真を手に入れたのか。
若松冬音は若松冬真を見つめ、続けて言った。「お姉ちゃん、正直に言うと、蒼井遥真は今や私のものよ!しかも、私以外と結婚するつもりはないって」
「あなたが?」若松冬真は思わず笑い出した。
蒼井家はどんな家柄だと思っているの?
どうして若松冬音なんかを気に入るはずがない!
「そう」若松冬音は頷いた。「私よ」
若松奥さんはクッションを取って若松冬音の頭に投げつけた。「夢見るのはやめなさい!明日の午前10時に、須藤哲と須藤叔母と一緒にカフェで会うことになってるのよ」
その時。
家政婦が近づいてきて言った。「三女様、お客様がいらっしゃいました」