200:真相は偽妊娠だった!_5

今はもう蒼井遥真がプロポーズするかどうかの問題ではない!

彼女が蒼井遥真と結婚したいかどうかの問題なのだ。

彼女が望みさえすれば。

いつでも蒼井遥真と結婚できる。

プロポーズ!

その言葉を聞いて、若松奥さんはすぐに若松冬音の方を振り向いた。「冬音、蒼井家ニ番坊ちゃんがプロポーズしてきたら、絶対に断っちゃダメよ!」

「分かってるわ」

若松奥さんは目を見開いた。「あなた、もしかして一度断ったの?」

「そうよ」若松冬音は頷いた。

若松奥さんは信じられない表情を浮かべた。

若松冬真はこの世界は狂ってしまったに違いないと思った!

蒼井遥真が若松冬音にプロポーズするなんて!

まさに太陽が西から昇るようなものだ。

若松冬音と比べて、若松冬真の方がずっと冷静で、続けて言った。「冬音、一つ忠告しておくわ。蒼井家は普通の家庭じゃないわ。もし彼らの前で小賢しいことをしたら、必ず痛い目に遭うわよ!」

若松冬音には分かっていた。若松冬真は彼女を妬んでいるのだと。

彼女は自分がこんなに良い結婚ができることを妬んでいるのだ!

彼女と若松冬真は、姉妹であり、競争相手でもある。

幼い頃から、彼女たちが最も多くしてきたことは互いに張り合うことだった。

それを聞いて、若松冬音は冷ややかに鼻を鳴らした。「どうせ私の結婚相手の方があなたより上よ!あなたは一生私を超えることはできないわ!」

若松冬真が蒼井琥翔と結婚でもしない限り。

明らかに、それは不可能なことだ!

蒼井遥真は夜明けから日が暮れるまで待ち、ようやく若松冬音が出てきた。

若松冬音を見て、蒼井遥真はすぐに前に歩み寄った。

「冬音」

若松冬音は続けて言った。「こっちに来て」

蒼井遥真は若松冬音の後を追った。

家族に見えない場所に来て、若松冬音はようやく口を開いた。「言うべきことは全て言ったわ。あなたはいったい何が望みなの?」

「私の言葉は変わらない。結婚しよう」蒼井遥真の目には真剣な表情が浮かんでいた。

「無理よ!」

蒼井遥真は続けて言った。「冬音、信じてほしい。このことは慎重に考えた上でのことだ。分かるだろう、私は軽々しく言っているわけではない」