「私も本気なのよ」と若松冬音は言った。
若松冬真は彼女との会話に意味がないと悟り、もう相手にせずに階段を上がって行った。
そのとき、若松冬音は若松琴璃からメッセージを受け取った。
証明書が発行されたので、若松琴璃は若松冬音に取りに来るように言った。
......
一方。
蒼井遥真が車を停めると、蒼井華和が近づいてくるのが見えた。
「妹よ」と蒼井遥真は車から降りながら声をかけた。
蒼井華和は蒼井遥真と並んで歩きながら、「お兄さん、最近何かあったの?」と尋ねた。
蒼井遥真の最近の様子は明らかにおかしかった。
普段は身なりに気を使う人なのに、今はひげも剃らずに、まったく見苦しい姿だった。
蒼井華和が戻ってきてからこれほど長い間、こんなに消極的な蒼井遥真を見たことがなかった。
蒼井遥真も何と言えばいいのか分からず、ただ「妹よ、私はもうすぐ結婚するかもしれない」と言った。