一瞬のことだった。
篠崎澪は呆然とした。
蒼井陽翔も呆然として、蒼井修誠の方を振り返り、目には信じられない表情が浮かんでいた。
おそらく、父親が直接ドアを指差して出て行けと言うとは思っていなかったのだろう。
両親が引き止めてくれると思っていたのに。
「お父さん?」
「出て行くんじゃなかったのか?」蒼井修誠は続けて言った。「出ていけ!」
蒼井陽翔は蒼井修誠を見つめ、目には詰問の色が浮かんでいた。「紫苑を追い出すんですか?」
篠崎澪は説明した。「お父さんと私は、彼女に一時的に外で暮らしてもらうだけよ。間違いを犯したのだから、罰を受けるのは当然でしょう!」
「でも紫苑はまだ意識不明です!」蒼井陽翔は心配そうに言った。「紫苑は体が弱いのに......」
蒼井修誠は蒼井陽翔とこれ以上話す気はなかった。「出て行くなら行け、残るなら残れ。ただし、一度出て行ったら、二度と戻ってくるな!お前のような息子は私にはいない!」