209:殺人で投獄、親子関係が成立!

すると、ソファーに座っていた高城ママが突然立ち上がり、榊原詩々の方へ歩み寄った。

その後の映像は見えなくなった。

電話時計が榊原詩々の手首に付けられていたからだ。

続いて聞こえてきたのは鈍い衝突音だった。

監視カメラの映像もその衝突音に合わせて左右に揺れていた。

何も見えないものの。

映像から推測できるのは、高城ママが確実に榊原詩々に暴力を振るっていたということだ。

彼女は榊原詩々の髪を掴んで、壁に激しく打ち付けていた。

何度も何度も。

そのとき。

榊原詩々が突然床に倒れた。

そして、監視カメラの映像が突然途切れた。

真っ白な画面になった。

蒼井華和は次の映像をクリックした。

この映像は角度が調整されていた。

今度は、監視カメラが明確に高城ママの顔を捉えていた。

誰も予想していなかった。

榊原詩々を命より大切にすると口にしていた高城桂子が、こんな扱いをするとは。

今や悪魔のような高城桂子は、榊原詩々の胸を激しく踏みつけていた。

表情は歪んでいた。

何度も何度も。

榊原詩々はもう我慢できず、高城ママの足を抱きながら、弱々しい声で言った。「ママ、痛い……」

これが榊原詩々がこの世に残した最後の言葉となった。

残念ながら。

この声は高城ママの良心を呼び覚まさなかった。

彼女の暴力はますます激しくなっていった。

表情もますます歪んでいった。

彼女は身を屈め、榊原詩々の首を強く絞めながら、「この小生意気な!死んでしまえ!」と叫んだ。

その後、まだ気が済まないのか、高城ママは立ち上がって、榊原詩々を何度も踏みつけた。

この間、榊原詩々からは何の反応もなかった。

榊原詩々が床に動かなくなっているのを見て、高城ママは少し慌てた様子で、足で榊原詩々の頭を軽く蹴った。「死んだふりするんじゃないわよ!」

榊原詩々はまだ何の反応も示さなかった。

高城ママは榊原詩々の鼻の下に手をかざしてみた。

息の気配は全くなかった。

高城ママは恐怖で顔色を失い、その場に崩れ落ちた。

彼女は非常に怯えていた。

額には冷や汗が次々と浮かんでいた。

映像はそのまま約10分間続いた。

徐々に、高城ママの恐怖も薄れていき、スーツケースを持ってきて、榊原詩々をその中に詰め込んだ。