206:次々と契約解除、損失は10億を超える!_3

「気にしなくていい」と蒼井陽翔は言った。「私はもう朝倉華真と契約を解除した」

「契約解除?」蒼井紫苑は目を見開いた。

その目には信じられない色が浮かんでいた。

華姉と蒼井修誠は長年の親友で、もともと華姉は蒼井陽翔を引き受けたくなかったが、結局蒼井修誠が出向いて、華姉がようやくこの件を承諾したのだ。

しかし今は。

華姉が蒼井陽翔と契約を解除したなんて!

もしかして......

もしかして蒼井家は本当に蒼井陽翔を見捨てたの?

でも蒼井陽翔は蒼井家の血を引く者なのに!

蒼井紫苑は冷静さを保とうと努め、続けて言った。「お兄様、あまり衝動的にならないで。そうだ、契約書はもう署名したの?」

「ああ、解約契約書にはもう署名した」蒼井陽翔は全く気にしていない様子だった。

結局のところ、蒼井陽翔にとって、蒼井家の力や華姉の支援に頼る必要はないと考えていた。