206:次々と契約解除、損失は10億を超える!_4

蒼井紫苑はカードを蒼井陽翔に返し、「お兄さん、そんなことをするなら、私はあなたの家に引っ越すのを辞めます」と言った。

これを聞いて、蒼井陽翔は仕方なく、カードを取り戻し、笑いながら「紫苑、お兄さんと約束してくれるの?」と言った。

「うん」蒼井紫苑は頷いて、「今から荷物をまとめます」と答えた。

実際、蒼井陽翔の家に引っ越すのが一番安全だった。

蒼井陽翔は高級マンションに住んでおり、出入りが厳重で、誰でも簡単に入れるわけではなかった。

しばらくして。

蒼井紫苑は服をまとめ、蒼井陽翔の車に乗った。

車の中で。

蒼井陽翔は紫苑に今後の計画を話した。「まず明川監督の映画を引き受けて、その出演料で事務所を設立するつもりだ」

明川監督の出演料は1億円だった。

撮影は来年の予定だが、以前明川監督と一本の映画で共演したことがあるので、出演料を先に支払ってもらえるよう相談できるはずだった。