206:次々と契約解除、損失は10億を超える!_2

蒼井紫苑はこれほど厚かましい人を見たことがなかった。「もう言ったでしょう。今そんなにお金がないの。人から借りないといけないのよ!あなたは私を困らせているだけじゃない!」

「そうだよ」榊原満山は頷いた。「お前を困らせているんだ。文句あるのか?榊原芳乃、お前は俺の娘だ。お前がまだ尻を上げる前から、俺はお前がウンコをするのかオナラをするのか分かってるんだ!」

なんて下品な言葉だろう!

蒼井家の使用人でさえ、そんな言葉を口にするのを潔しとしない。

しかし今日。

実の父親の口からこんな言葉を聞くとは、蒼井紫苑は言いようのない気持ちになった。ただ言うしかなかった。「でも本当に今お金がないの。こんなに追い詰めるなら、死ぬしかないわ!」

そう言って、蒼井紫苑はバルコニーの窓際に立ち、いつでも飛び降りる準備をした。