214:善悪には報いがある_3

今日は息子の誕生日だ。死人の話を持ち出すのは、やはり縁起が悪い。

彼が情が無いわけではない。

ただ、娘が何年も行方不明で、彼の涙は一年目ですべて枯れ果てていた。

今や、新しい家庭を持った以上、死人に影響されるべきではない。

早乙女蝶子もそれ以上は聞かなかった。

帝都。

日が暮れかけていた。

霊堂の人々はほとんど帰っていた。

橘艶子だけが棺の前に跪き、紙銭を燃やしながら泣きながら言った。「莉々、ママが悪かったの。ママがもっと早く来ていれば、あなたはこんなに苦しまなくて済んだのに。きっと痛かったでしょう?」

その時、外から足音が聞こえた。

「莉々!」橘艶子はすぐに振り返った。

しかし。

来たのは榊原詩々ではなかった。

蒼井華和はため息をつき、橘艶子の側に寄って、「橘叔母、もう一日何も食べていませんよ。少し休んでください。ここは私が代わりに見ていますから。」