214:善悪には報いがある_5

すぐに、二人はレストランの外に着いた。

黒のカイエンが駐車場に停まっていた。

長身の影がドアに寄りかかっていたが、蒼井華和が来るのを見ると、すぐに姿勢を正した。「華和」

蒼井華和は近づいて言った。「橘叔母を駅まで送りましょう」

「ああ」如月廷真は軽く頷いた。

蒼井華和は続けて紹介した。「橘叔母、こちらは私の婚約者の如月廷真です」

「如月さん」

如月廷真は軽く頷き、「どうぞ乗ってください」

そう言ってドアを開けた。

今日は如月廷真が運転し、蒼井華和は助手席、橘艶子は後部座席に座った。

車はゆっくりと進んでいた。

およそ40分ほどで、駅に到着した。

蒼井華和と如月廷真は彼女を駅の中まで送った。

「橘叔母、お気をつけて」

「蒼井さん、如月さん、ありがとうございます」橘艶子は二人に手を振った。「蒼井さん、着いたらメッセージを送ります」

「お待ちしています」

橘艶子の姿はすぐに前方の人混みに消えていった。

如月廷真が言った。「彼女が詩々の実の母親?」

「うん」蒼井華和は何とも言えない気持ちで「本来なら母娘で再会できたはずなのに、運命は残酷ね」

榊原詩々のような良い子が、こんな結末を迎えるべきではなかった。

如月廷真は彼女を一瞥し、続けて言った。「ちょっと待っていて」

「うん」

およそ10分ほどで、如月廷真は戻ってきた。手にはアイスミルクティーを持っていた。

「はい」

蒼井華和は両手でミルクティーを受け取り、目を細めて「ありがとう」

一方。

一日も経たないうちに、蒼井陽翔のWeiboのフォロワーは200万人以上減少した。

華姉は途方に暮れていた。

仕方なく蒼井陽翔の住まいを訪ねることにした。

「陽翔、あなたは私が一から育てた芸能人よ。ここまでの道のり、誰よりも私がよく知っているわ。もしあなたが自分のスター生命をこのように台無しにしたくないなら、私の言うことを聞いて。一時的に蒼井紫苑との関係を絶って、両親に謝りに行きなさい。そうしないと、一生後悔することになるわよ!」

自分が直接育てた芸能人だからこそ、華姉は蒼井陽翔が自分のスター生命を台無しにするのを黙って見ていられなかった。

今日の成功を収めるまでは、本当に大変だったのだから。