218:クズをいじめたら、顔が青ざめた_5

蒼井陽翔は蒼井紫苑の後頭部を軽く叩いて、「僕たちは兄妹だからね」と言った。

蒼井屋敷。

蒼井大婆様は杖をつきながら歩き、ぶつぶつと文句を言っていた。「家でこんな大事が起きたのに、この老婆に一言も知らせないなんて!本当に最近の若い者は目に余るわ!」

蒼井大婆様はここ数日、古い友人と一緒に海外旅行に行っていた。お年寄りの旅行気分を害さないように、家で起きたこれらの出来事について、蒼井家の者たちは暗黙の了解で大婆様に隠していたのだ。

篠崎澪は傍らに立ち、とばっちりを恐れて声を出すことができなかった。

しかし、声を出さなくても、蒼井大婆様の砲撃は彼女に向けられた。「今になって榊原芳乃の本性が分かったでしょう?私はずっと彼女が良い人間じゃないって言ってたのに、あなたは聞く耳を持たなかった!」