その言葉を聞いて、篠崎隊長と須藤紫楓、そして原田東馬たちは頷いた。
彼らは誰も、目の前の若い女性がこれほど専門的だとは思っていなかった。
しかも、遺体を前にしても冷静沈着だった。
彼女には同年代の人々には見られない真の落ち着きと熟練さがあり、まるで戦場を駆け抜けてきた殺戮神のようだった。
人々に畏怖の念を抱かせるほどだった。
ここまで聞いて、玲姉は眉をひそめた。
「もしそうだとすれば、容疑者が手を下す前に、榊原満山は誰かと揉め事があったということになります!」
もしこの二人が同一人物だったなら、榊原満山は警戒心を持っていたはずで、容疑者は一撃で致命傷を与えることはできなかったはずだ。
だから。
この二人は同一人物ではない。
蒼井華和は軽く頷き、「そう言えます。それに、私は果物ナイフで榊原満山を傷つけた人物は、何か知っているはずだと思います。」