第25章 強迫症も病気である

夏川清美は27年間の人生で、まさか自分がベビーシッターとして雇われる日が来るとは思ってもみなかった。

天才医師にとって、これは侮辱以外の何物でもなかった。

しかし、一分間の沈黙の後、夏川清美は顔を上げた。「考える時間が必要です。」

元の体の基礎が破壊されており、しっかりと養生が必要だった。林家は体を養生できる場所ではないが、結城家は違う。

子供のためなら、結城家は彼女を虐げることはないだろう。

特に昨夜の後、鈴木の母娘が彼女の作り出した幽霊の恐怖から冷静さを取り戻せば、必ず報復してくるはずだ。

彼女は彼女たちと戦うことを恐れてはいないが、今ではない。

「はい、林さんのご返事をお待ちしております。」結城陽祐は林夏美の表情の緩みを見て、心の中で推測を立てた。その端正で美しい顔に柔和さが加わり、より一層魅力的になった。ただし、少し青白く、病弱な美人という印象だった。

夏川清美は初めて見るわけではなかったが、それでもなお魅了された。

毎日このような顔を見ていたら、本当に長生きできないのだろうか？

そんな空想が頭をよぎり、夏川清美は慌てて我に返った。余光で初めて結城陽祐の書斎を観察する余裕ができた。

年代を感じさせる部屋は、とても趣味の良い装飾がされていたが、それらは重要ではなかった。夏川清美は結城陽祐の書斎のすべての物が対称に配置されており、対称でないものも大きさ順に並べられていることに気付いた。

強迫性障害？

なるほど。

あんなに広い道なのに彼女に道を譲ったのは、強迫性障害のせいだったのか。

夏川清美が部屋を出た後、健二は不思議そうに口を開いた。「若旦那はなぜ林さんをそんなにお気に入りなんでしょうか？」

「病気かもしれないな」結城陽祐は、あの豊満で対称的な白い肌を思い浮かべながら、呟いた。

健二「……」

梶原先生がさっき若旦那の体を診て健康で発育も良好だと言っていたのに、どうして病気なんてことがあり得るのか。

「強迫性障害も病気だ」結城陽祐はそう言い残して、書斎を出て行った。

健二「？」

社長は人間の言葉で話せないのか？若旦那はまだ若いのに、どうして強迫性障害なんかになるんだ？それに遺伝するわけでもないだろう！

……

夏川清美は昼食を結城家の本邸で取った。