タンパク質不耐症のため、木村久美はずっと母乳を飲んでいた。
しかし結城陽祐は万が一に備えて、早くから木村久美のために特別な粉ミルクを用意していたが、これまで使う機会がなかった。
ただし夏川清美は、ばれないように意図的に一缶開けて、時々赤ちゃんに与えていたが、ほとんどの場合は自分の母乳を与えていた。
幸い、他のメイドたちは手伝いに来るものの、ほとんどの時間は各自の仕事をしていたため、夏川清美は深く安堵すると同時に、一人で赤ちゃんの世話をすることの大変さを実感した。
藤堂さんが不在の三日間で、彼女は2キロ痩せた。
予想外の収穫だった。
しかし三日後、藤堂さんは結城邸に戻ったものの、母乳が出なくなっていた。おそらく怖がっていたせいだろう。
以前のような明るさもなくなり、仕事をする際にも慎重になり、庭での噂話も夏川清美にこっそり話すことはなくなった。