第117章 見つかったらどうしよう?

健二は夏川清美が険しい顔で外に向かうのを見て、後を追いかけながら、病床に横たわる岡田光秀に目を向けたまま、おしゃべりな性格を抑えきれず、「清美さん、彼女はどうですか?死んじゃいませんか?もし...」死んだら面倒だな。

「失血が激しいけど、死にはしないわ」夏川清美は健二が押している女の子を見た。二十歳くらいの様子で、おそらく結城家が用意した輸血用の血液提供者だろう。もし彼女がもう少し遅く来ていたら、危なかったかもしれない。

健二はほっと息をついた。死なないならそれでいい。

「着いたわ」夏川清美は言って立ち止まった。

健二は後ろで閉まったドアを見て、そしてほとんど隙間のない壁を見た。どうやって出ていけばいいんだ?思わず夏川清美に視線を向けた。

夏川清美は唇を噛んで、「外は霊安室よ。この時間なら霊安室の管理人さんがいるはずだけど、脅威にはならないわ。でも、不良グループ4人に遭遇する可能性が高いから、覚悟しておいて」