第117章 見つかったらどうしよう?

健二は夏川清美が険しい顔で外に向かうのを見て、後を追いかけながら、病床に横たわる岡田光秀に目を向けたまま、おしゃべりな性格を抑えきれず、「清美さん、彼女はどうですか?死んじゃいませんか?もし...」死んだら面倒だな。

「失血が激しいけど、死にはしないわ」夏川清美は健二が押している女の子を見た。二十歳くらいの様子で、おそらく結城家が用意した輸血用の血液提供者だろう。もし彼女がもう少し遅く来ていたら、危なかったかもしれない。

健二はほっと息をついた。死なないならそれでいい。

「着いたわ」夏川清美は言って立ち止まった。

健二は後ろで閉まったドアを見て、そしてほとんど隙間のない壁を見た。どうやって出ていけばいいんだ?思わず夏川清美に視線を向けた。

夏川清美は唇を噛んで、「外は霊安室よ。この時間なら霊安室の管理人さんがいるはずだけど、脅威にはならないわ。でも、不良グループ4人に遭遇する可能性が高いから、覚悟しておいて」

「不良4人?」健二は理解できない様子だった。

夏川清美は説明したくなかった。携帯を取り出すと、電波は弱いものの、電話はかけられそうだった。

少し考えてから、夏川清美は番号を押した。

健二はすぐに警戒して尋ねた。「清美さん、誰に電話するんですか?今は誰に電話しても危険です」

「市立病院の救急センターよ」

健二は「...」これはどういう作戦だ?

健二が理解する前に、彼らが先ほど離れた研究室から突然物音がした。顔色を変えて、「清美さん!」

「シッ!」夏川清美は元々人より感覚が鋭かったので、当然聞こえていた。そして即座に中の人間が病院外の秘密通路から入ってきたと判断した。

密かに安堵した。もし先ほど外の不良たちがまだいるかもしれないと心配して、あの通路を選んでいたら、通路で鉢合わせていたかもしれない。

「くそっ、どこにいった?」中から中年男性が叫んだ。

「どうして見当たらないんだ?早く探せ!」

「こんな狭いところで、どこに隠れられる?逃げたんじゃないか?」一人が尋ねた。

「三代目は死体の確認に来いと言ったんだぞ。逃げたとでも?」最初に話した中年男性が苛立ちを隠せない様子だった。

「じゃあ、これは...」

「探せ!」