「最も大切なあなた、
感動の瞬間が最も美しく、真心を込めて疲れを知らず、
愛が溢れすぎて酔いそう、
愛されない人は、どんなに美しくても憔悴してしまう、
私は赤いバラを贈るわ、私の愛を知っているあなた、一生涯の涙で向き合わないで、
これからの日々はあなたがいてこそ美しく、夢はより現実味を帯びる……」
婚約式の会場があまりにもロマンチックで、張学友の歌があまりにも美しく情熱的だったせいか、夏川清美は「これからの日々はあなたがいてこそ美しく、夢はより現実味を帯びる」という歌詞を聞いた時、思わず隣の男性を見つめてしまった。
すると、結城陽祐もちょうど彼女の方を見ていた。
その加工の必要もない美しい顔立ちは、まるでロマンス小説から抜け出してきたかのようで、この夢のような場面と相まって、夏川清美の心臓は制御不能なほど早鐘を打った。一瞬、まるでこれが自分の婚約式で、隣にいる男性が、自分の愛する、そして一生を共にしたい人なのではないかと錯覚してしまった。