病院に着くと、「救急処置」の後、結城陽祐は病室に戻された。
夏川清美は散らかし放題の部屋を見て、恥ずかしそうに鼻を触り、「あの...元通りにしましょうか?」
「いいよ、これは命の恩を代価に得たものだから」結城陽祐はベッドに寄りかかり、破れた布団を見ながら、不快感を堪えて、半分破れたズボンの裾を揺らして、「これでいい」
夏川清美は意味深な目で男を見つめ、「本当に?」
「本当だよ」結城陽祐は夏川清美をからかうため、そして自分の言葉を守るため、強がって言い切ったが、すぐに後悔の念が湧いてきた。
案の定、夏川清美がウェディングドレスを引っ張り、真ん中のピンクダイヤモンドを力いっぱい、さらに力を入れてこじ取った。
それだけでなく、ピンクダイヤモンドを取った夏川清美は、ドレスと同じ色の腰のリボンを横に引っ張り、さらに引っ張って、対称だったリボンを大小不揃いにしてしまった。