第228章 クズ野郎に嫁ぐ資格なんてない

林夏美は自分の足が大丈夫だと口では言い張っていたが、実際には自信がなかった。

婚約パーティーで薬を使う前、薬を売った医者から注意事項とリスクについて説明されていたが、感情的になっていて気にも留めなかった。

ここ数日、足の状態は一向に良くならず、イライラが募る一方だった。そこへ槙島秀夫にこんな計略を仕掛けられ、すっかり陰鬱な様子になっていた。

槙島秀夫はそんなことは気にも留めず、林夏美の前にしゃがみ込んで、彼女が固く握り締めている手を取った。「夏美ちゃん、安心して。僕が必ず足を治してあげるから」

「私はあなたと結婚なんてしないわ」林夏美は声を押し殺して低く言った。

「ふん、それはお前が決められることじゃないな」槙島秀夫は軽蔑的に笑った。この女はこんな状況でもまだ強情を張っている。まだ自分が結城家の未来の奥様だとでも思っているのか？