長年の習慣で、夏川清美は何をするにも計画的だった。
ダイエットのことでさえそうだった。
計画が立てられると、夏川清美は自分の体の贅肉を見ても、そこまで嫌悪感を感じなくなった。手で肉をつまみながら、「みんな、焦らないで。お姉さんがこの時期を乗り越えたら、みんなを送り出してあげるから。その時は私のことを恋しく思わないでね」
つぶやき終わると、夏川清美は背筋を伸ばした。すると、結城お爺さんが階下から呼ぶ声が聞こえた。「清美、下りてきて太極拳をしましょう!」
夏川清美は顔を出して、「お爺さん、待っててね」
藤堂さんは二人のやり取りを見て、夏川清美をからかった。「お爺さん、最近ご機嫌がいいわね。この孫の嫁候補に満足してるみたいね」
「羨ましい?じゃあ、陽祐さんを譲ってあげようか」夏川清美は意地悪く笑った。
藤堂さんは彼女を嫌そうに見て、「もう、若い子は冗談ばっかり」
「私が若い子に見える?藤堂さん、若い子に失礼よ」夏川清美は実際、藤堂さんより5歳年下で、若い子と呼ばれて胸を張った。
藤堂さんは大笑いして、「はいはい、これからは大きな女の子って呼ぶわ」そう言って、ベビーカーに寝ている木村久美を見て、「うちの久美は大きな男の子ね」
今度は夏川清美も一緒に笑った。
二人で木村久美を連れて階下に降りると、結城お爺さんはすでに練習着を着ていた。
ワインレッドの花柄の中山服を着て、最近ご機嫌な様子のお爺さんは特に元気そうに見えた。
喜びに満ちた表情も見られた。
夏川清美と藤堂さんが楽しそうに話しているのを聞いて、興味深そうに尋ねた。「何を話してるの?そんなに楽しそうで」
藤堂さんは夏川清美を見て、からかうように笑った。「清美ちゃんを若い子って呼んだら、自分は大きな女の子だって言い張るんです」
「大きな女の子がどうしたの?太っているほうが子育てにいいんだよ。うちの久美を見てごらん」結城お爺さんは二人よりも楽しそうに笑った。
そう言って、まだ足りないとばかりに夏川清美を見て、「清美や、ネットの人たちの言うことなんか気にするな。太っているのが何か問題かい?太りたくても太れない人もいるんだよ。陽祐さんの体調が良くなったら、二人で結婚式を挙げて、久美に弟か妹を作ってあげたら、このじいさんも満足だ」