第253章 懲りない性格！

「これは……私が何とかするわ」鈴木末子は遠くを見つめながら呟いた。

林夏美は目を輝かせ、「お母さん、本当？」

「でもその前に、槙島家の要求を受け入れなければならないわ。まずは婚約して、それから結婚という形で」鈴木末子は娘を無理強いしたくなかったが、今の状況では彼女たちにできることは限られていた。

結城家との縁談は絶望的で、槙島家は着々と迫ってきていた。

林家の会社は依然として困難な状況にあり、槙島家を断る余地などなかった。

「でも……」母の言葉を聞いて、林夏美の目は再び暗くなり、口の中で何かを呟きながら、まだ気が進まない様子だった。

前回の結城陽祐の婚約パーティーの後、彼女のネット上でのイメージは以前の良好なものから一転、今でも時々ネットユーザーに嘲笑され、以前出演したドラマまで掘り返されて叩かれていた。

さらに腹立たしいことに、以前は彼女に取り入っていた山田麗姉妹は、この一件の後、彼女を避けるようになり、むしろ彼女たちを故意に陥れたと思い込んでいた。

そしてあの愚かな看護師は、混乱に乗じてデブ野郎を殺せと言ったのに、彼女は殺すどころか、山田家の令嬢を危うく死なせそうになり、今では訴訟問題を抱えている。幸い、あの女は賢明で事故だと言い張っているが、もし彼女を巻き込んでいたらもっと厄介なことになっていただろう。

それに高橋さんというバカ、仕事は失敗し、金だけ騙し取って、今どこに隠れているか分からない。見つけたら絶対に生かしては置かない。

考えれば考えるほど、林夏美は憤りを感じた。

これだけのことをしたのに、結局は槙島秀夫というクズと結婚することになるなんて。一方あのデブは何もせずに、うまい具合に全てを手に入れた。

「夏美ちゃん……」娘の顔が陰り、目に憎しみが宿るのを見て、鈴木末子の心は痛み、優しく夏美ちゃんと呼びかけた。

林夏美は我に返り、「お母さん、私は槙島秀夫と結婚してもいい。でもその前に林夏美を生かしては置かない。彼女が正陽様と結婚したがっているなんて、そんなの許せない」