第259章 結城お爺さんに洗脳パウダーを贈りませんか?

「ぷっ!」

夏川清美は朝食を食べていて、牛乳を一口飲んだところで、林夏美と槙島秀夫がX姓の女優とホテルで不倫現場を押さえられたというニュースを見て、思わず「ぷっ」と吹き出してしまった。

そして彼女の向かいに座っていた結城陽祐の顔に、牛乳が真っ直ぐに飛んでいった。

夏川清美は我に返り、慌てて結城陽祐の側に駆け寄り、ティッシュを取り出して彼の顔を拭きながら、必死に謝り続けた。

しかし男は死の凝視のように、ただ陰鬱な目で彼女を見つめていた。

食堂の雰囲気は少し気まずくなった。

夏川清美は助けを求めるように結城お爺さんを見たが、お爺さんは何も聞こえなかったかのように、自分の食事に集中していた。

仕方なく、夏川清美は小さな声で尋ねた。「じゃあ、どうすればいいの?私の顔にも牛乳かけてみる?」