第334話 パパとママは妖怪退治に行く

鈴木末子は娘の崩壊した様子を見て、自分にはできないと分かっていながらも、娘を拒否することができなかった。

歯を食いしばって、鈴木末子は林明里を抱きしめ、「ママが必ず方法を考えるから、きっと大丈夫よ」と言った。

「ママ……」

母娘は病室で声を上げて泣いた。

朝の9時になってようやく林富岡が病院に到着した。

彼は最近疲れやすく、記憶力も低下し、深い眠りに落ちていた。朝起きて初めて林明里が夜中に救急車で運ばれたことを知り、慌てて駆けつけた。

あいにく、林富岡が到着したとき、病院は林明里に退院を命じた。

林富岡は憔悴した母娘を見て、怒りに燃えた。「この病院は人間性がないのか？患者がこんな状態で、どうやって退院させるんだ？」

「これは……私たちも困っているんです。他の病院を当たってみてはいかがでしょうか？」病院の責任者は困った様子で言った。

相手がそう言うのを聞いて、林富岡にはすべてが分かった。すぐに夏川清美に電話をかけた。

夏川清美は朝食を済ませ、ちょうどお爺さんたちと太極拳を練習していた。

午前中の結城邸で太極拳を練習することは、夏川清美にとって至福のひとときだった。

結城陽祐も最近彼らの仲間に加わり、朝の邸宅は特ににぎやかになっていた。

特に木村久美が起きているときは。

たとえば今この瞬間。

夏川清美がお爺さんの姿勢を直しているとき、木村久美はぐずぐずと藤堂さんの腕の中にいるのを嫌がり、手を伸ばして夏川清美を求めた。

仕方なく夏川清美は戻って小さな子を抱きしめたが、まだ揺らし始めてもいないうちに、結城陽祐が彼女を呼んだ。「ぽっちゃりくん、こっちに来て、私の動きが正しいか見てくれ」

ちょうど新しく覚えた童謡を歌おうとしていた夏川清美は「……」

しかし夏川清美が断る前に、藤堂さんが近づいてきた。「久美ちゃん、お乳母さんが抱っこするわよ、お乳母さんはママと同じようにいい香りがするのよ」

そして夏川清美が反応する間もなく、木村久美を再び抱きしめた。

手が空いた夏川清美は結城陽祐の前に立ち、アイドルドラマのような太極拳を披露する男を見て、「どの動きが正しくないの？」と尋ねた。

そして丁寧な指導の後、夏川清美はようやく一息つけた。

しかしちょうどそのとき、彼女の携帯電話が突然鳴り響いた。