第332章 その手術器具の由来は?

林夏美は興奮して母親を抱きしめましたが、左足を引っ張ってしまい、痛みで叫び声を上げ、鈴木末子から手を放して自分の足を見ました。「お母さん、前回のホテルでの出来事は、山田麗というあの女だけがやったわけじゃないの。背後には正陽様の仕掛けがあって、あのデブ野郎のためにこんな策略を巡らしたのよ!」

「今日は一体どうしたの?」鈴木末子は娘の足を見ながら、心配し始めました。

「お母さん、今日成瀬女優に会ったの。彼女があの日突然ホテルの部屋に入ってきた人よ。和也様によると、そのホテルには正陽様の出資があって、成瀬美里がその日手に入れたカードキーはホテルのスタッフから渡されたものだったの。だから山田麗は確かに記者を呼んだけど、私の名誉を台無しにした黒幕は、結城陽祐、つまり林夏美だったのよ。」林夏美の名前を口にすると、林夏美は歯ぎしりしました。

鈴木末子は黙り込みました。正陽様があのデブ野郎のためにこんなに品格のない行動をとるとは思いもよりませんでした。

「それで、あなたの足は?この数日良くなってきたんじゃなかったの?どうしてまた問題が出たの。」鈴木末子は本当に娘の足が心配になり、足が不自由になってしまうのではないかと恐れました。

林夏美は目を泳がせ、今日足に薬を塗ったことを母親に告げる勇気がなく、林夏美を思い出して憎々しげに言いました。「お母さん、全部あのデブ野郎のせいよ。私の足をバッグで突いたの。それから立てなくなってしまったの!お母さん、私どうすればいいの?」

「彼女があなたの足に触れたの?」林夏美が娘の足に触れたと聞いて、鈴木末子の表情は暗くなりました。

「うん。」林夏美は頷き、何かを思い出したように言いました。「お母さん、あのデブ野郎、何か変よ。ダンスができるの。それもすごく上手なの。でも昔は絶対にできなかったはずよ。」

林夏美は夏美の言葉を全く信じていませんでした。自分の知っている林夏美はダンスができないと確信していて、今の林夏美には不可解な点が多すぎると思いました。しかし結城陽祐の言葉を思い出すと、林夏美の目は暗くなりました。「お母さん、あの女を始末しましょう?あんな最低な女が世の中に存在していることに、もう一刻も耐えられないわ!」

話しているうちに、林夏美は感情的になっていきました。夏美への憎しみは骨の髄まで染みついていました。