第338章 私は夏川清美の弟です

車を降りた夏川清美は近くのカフェに入り、なつき信託の人に位置情報を送信した。

20分後、20代の気品のある混血の男性が夏川清美に向かって歩いてきた。「こんにちは、なつき信託のCEOのダニエルと申します」

夏川清美は驚いた。こんなに若いの?しかも外国人?

「はじめまして、林夏美です」夏川清美は立ち上がった。

ダニエルは業界で最近話題の女性を見つめ、「お噂は伺っております」

夏川清美は挨拶を省いて本題に入った。「……契約書を見せていただけますか?」

「はい」ダニエルは契約書を夏川清美に渡した。

夏川清美は読み終えて頭が混乱した。本当に結城財閥の株式なの?

「どの結城家ですか?」夏川清美はまだ混乱していた。

「京都の結城グループです」ダニエルは目の前の女性がこんなに大らかだとは思わなかった。彼女がカードの残高すら確認していないのではないかと疑うほどだった。