第339章 お前は本当に女なのか?

軽くため息をつき、夏川清美はカフェを出て、ATMの前を通りかかった時、ふと思い立って、バッグから一度も使ったことのないブラックカードを取り出し、残高照会をした。しばらくすると、画面に残高が表示された。

3の後ろに続く数字を見て、夏川清美は一つ一つ数えてみた。指を折りながらもう一度数え直し、最後にようやくこれが億単位の残高だと確認した。

唾を飲み込んで、もう一度数えた。

夏川清美は前世でもお金に困ることはなく、むしろ非常に裕福だったが、カードの残高が億単位になることは決してなかった。

結城陽祐が手術用メスに2億円も使う理由が少し分かった気がした。結局、あの男はお金しか残っていないのだろう。

財産争いで血で血を洗うような争いが起きる名家があるのも無理はない。巨大な利益の前で、誰が本当に欲を持たずにいられるだろうか?