第358章 こんなにイケメンな悪い男

夏川清美は、この男の手口に感心せざるを得なかった。本当に手厳しい一手だ。

ホテルの一件の前から、林夏美が槙島秀夫を全く見下していて、完全に予備として扱い利用し、相手を成り金の息子だと思って自分には相応しくないと考えていたことを、夏川清美は知っていた。

正確に言えば、林夏美は長年のエリート教育を受け、自分の人生の目標を高く設定していた。

鈴木末子が林富岡と結婚したことは、彼女たちにとって既に一つの階級上昇だった。

しかし、彼女たちはそれで満足せず、さらなる野心を持っていた。

この数年間の鈴木末子の林夏美への教育水準、そして林夏美が当初結城陽祐を選んだことからも、彼女たちの巨大な欲望に包まれた野心が見て取れる。だから最初、槙島家が林夏美との縁組みを望んだ時、彼女はそれを直接拒否した。