病室の中。
林富岡の耳はようやく静かになったが、表情は少しも緩んでいなかった。
鈴木末子と十年連れ添って、今日のような事態になるとは、数日前の彼自身も想像していなかった。
しかし、真実が少しずつ明らかになるにつれ、彼が思っていた以上に残酷なものだった。
昨日、弁護士は鈴木末子が最近財産を移転した証拠だけでなく、この数年間で会社の金を流用して外で不動産を購入した証拠、そして彼の血液検査の結果も持ってきた。
その中には、彼が慢性中毒に陥っていたことが明確に示されていた。
そして彼の血液中に含まれていた毒素は、前回鈴木末子が彼に注射した薬物と同じ成分だった。
違いは、前回の投与量が全て体内に入っていれば、彼は間違いなく死んでいただろうということだ。
林富岡は鈴木の母娘に対して決して薄情ではなかったと自負していた。まさか彼女たちがこの数年間、佐藤清美を虐げただけでなく、彼の命まで狙っていたとは。それなのに今になっても、彼が彼女たちを許すと夢見ているなんて!
佐藤清美にしたことだけでも、死んで当然だ。
佐藤清美のことを考えないときはまだいいが、佐藤清美が本当の佐藤清美ではなく、すでにあの母娘に虐待されて死んでしまったかもしれないと考えると、全身が冷たくなる。ここ数日、彼は毎晩悪夢を見て、佐藤清美が「お父さん、助けて、お父さん、助けて…」と呼ぶ声が聞こえた。
ぼんやりとした中で、若雅が小さな女の子の手を引いて、なぜ娘を守れなかったのかと問いかける姿が見えた。
これらのことが一つ一つ林富岡を苦しめ、彼は一時も安らぐことができなかった。
そして今日の鈴木末子の騒動で、彼は自分がいかに愚かだったかをより一層実感した。
まるで魂を抜かれたかのように、灰色に打ちひしがれてベッドに横たわっていた。
特別看護師が静かに様子を見に来て、状況を結城邸に報告した。
この時、夏川清美は錦鯉の池のそばに座っていた。
四ヶ月が経ち、木村久美は寝返りを覚え始めていた。
お爺さまは二メートル四方の柔らかい毛布を注文し、中庭に敷いて、家族全員で赤ちゃんの寝返りを見守っていた。