第370章 これぞ手のひらを返すとは!

鈴木末子は表情を無理に保ちながら、槙島秀夫を見て、「秀夫さん、まだ何かありますか?」と尋ねました。

「お義母さんと夏美と一緒に行きましょう。結婚して数日経ちますが、お義父さんに会いに行く時間がなかったのは申し訳ありません」と言って、槙島秀夫は断りもなく車に乗り込み、林夏美の隣に座りました。

林夏美の表情は耐え難いほど不快そうでした。

鈴木末子の表情も良くありませんでした。「秀夫さん、夏美のお父さんは手術を終えたばかりで、状態が安定していません。状態が良くなってから来た方がいいんじゃないでしょうか」

「それはいけません。お義父さんの具合が悪いなら、婿である私がなおさら見舞いに行くべきです」槙島秀夫は鈴木末子の断りを理解しないふりをして、運転席の方を見ながら「運転手さん、出発してください」と言いました。