第366章 20億1000万が消え失せた

夏川清美は熱が下がってから、体調の回復が早かった。

あの高熱は突然やってきて、不思議なことに突然消えてしまい、翌日には夏川清美はお爺さんと一緒に太極拳を練習し、屋敷の中は普段通りに戻った。

特に結城陽祐の張り詰めていた心が、やっと緩んだ。

貝塚お爺さんを訪ねたことについては、彼はきれいに隠していた。

健二は噂好きだが、軽重をわきまえており、お爺さんにも一言も言わなかった。

そしてあの日の夕方、二少がどこへ行って何をしたのかは、夏川清美の発熱と同様に、誰も尋ねることはなかった。

しかし体調が回復したので、いくつかの清算をすべき時だった。

鈴木末子はあの日病院を出てから、ずっと姿を見せず、会社のお金も返していなかった。

代わりに夏川清美に監視カメラの映像を送ってきた。