第365章 彼女を守れるのはお前だけ

夏川清美は丸一日眠り続けた。

目が覚めたのは翌日の夕方だった。

目を開けると、ぽっちゃりした顔が目に入り、次の瞬間、鼻がぬれた。小さな口が彼女の鼻をくわえたのだ。

まだ歯が生えていないので噛めないが、よだれが夏川清美の鼻に垂れた。

垂らした後、舌でペロッと舐めて、嬉しそうに小さな口をもぐもぐさせた。

夏川清美は「……」と思った。ああ、誰が子供は世界で一番可愛い生き物だと言ったの?汚いわ!

「くすくすくす!」でも木村久美はそうは思わない。ママの気持ちなど全く感じ取れず、動かなかったママが目を開けたのを見て、嬉しそうに笑い、小さな手で夏川清美の鼻や頬、髪の毛を触り続けた……

それはまだいい。

問題は4ヶ月の結城湊くんが歯茎から涎を垂らしていることだった。

だから笑うたびに、よだれが流れ出てくる。