第375章 悪鬼の復活は命を取りに来た

鈴木末子は林富岡の言葉を聞いて我に返り、顔色が一層青ざめた。

この騒動で、裁判所の人々の鈴木末子に対する印象は最悪になった。

鈴木末子は何かを挽回しようとしたが、もはや誰も彼女の演技に注目することはなく、裁判所はすぐに正式な審理を始めた。

林富岡と鈴木末子の離婚訴訟ではあったが、経済紛争と刑事事件が絡んでいたため、傍聴席が設けられていた。

鈴木末子はカードに残っていた百万円で信州市の有名な弁護士を雇い、自分の弁護を依頼した。

しかし、結城陽祐の弁護団と対峙しても、結局は敗北を喫することとなった。

最終的に裁判所は林富岡の請求を認め、二人の離婚を言い渡し、さらに鈴木末子が林富岡の重病期間中に強制的に署名させた財産贈与と譲渡契約をすべて無効とした。

被告席に立つ鈴木末子は怒りで全身を震わせていたが、どうすることもできなかった。