母の言葉を聞いて、林明里は少し考えてから、結城和也にメッセージを送った。
結城和也に対して、林明里の気持ちはとても複雑だった。
前回、結城和也とチャリティーパーティーに行かなければ、彼女は足に禁止薬を打つことはなかったはずで、そうすれば足が完全に壊死することもなかったはずだ。しかし、これほどの犠牲を払ったにもかかわらず、結城和也が約束したダイヤモンドは結局もらえなかった。
この足の代償として何も得られず、逆にチャリティーパーティーで面目を失っただけだった。
考えれば考えるほど林明里は憤りを感じ、結城和也に対して恨みも募った。
一方、結城和也は結城陽祐にピンクダイヤモンドの件で騙された後、父親に別荘に軟禁され、退屈で全身カビが生えそうだった。突然、林明里から協力したいというメッセージを見て、最初は驚き、そして疑問符を返信した。
林明里は結城和也の疑問符を見て、スマートフォンを投げ出しそうになったが、仕方なく我慢して、「和也様は常に陽祐さんに対抗したいと思っているでしょう?私には和也様に見せたいものがあります」と送った。
結城和也はソファに座り込んでスマートフォンを抱えながら、林明里が結城陽祐というモンスターの話を持ち出したのを見て、すぐに興味を示した。「送れ」
林明里は「……」
まだ条件も話していないのに?
しかし今の彼女には交渉する立場になく、少し躊躇した後、動画を結城和也に送信した。
結城和也は動画を開き、まず病床の林富岡を見て、それから鈴木末子が美しい蛇のように林富岡に絡みつき、感情的な訴えをした後、突然夏川清美の前に跪いて、彼女の家族を許してくれと懇願するのを見た。
「ふん」結城和也は思わず興味を持ち、林夏美のような太った女がどうするのか非常に気になった。すぐに鼻で笑い、林夏美のような太った女は必ずこの女の策略にかかるだろうと思ったが、次の瞬間、結城和也は完全に面目を失った。
林夏美が傍らのモンスターに「もし私が彼らを病院から追い出したら、非情だと思う?」と尋ねるのを見たからだ。
「あなたがする必要はない」
そして結城和也は次の光景を目にした。健二が鶏を掴むように林富岡と鈴木末子を引きずり出したのだ。
そして林夏美がそのモンスターに「どうしよう、私、急に自分が意地悪だと気づいた」と言うのを聞いた。