「遠山正を知っているのか?」結城陽祐はそう考えると、安堵しながらも不満を感じていた。
「遠山正って誰?」夏川清美はその人物のことを聞いたこともなかった。
結城陽祐は眉をひそめた。「じゃあ、なぜ突然寝返って、自分のやったことを正直に話したんだ?」
夏川清美は突然、メールボックスの中の'句点'のことを思い出し、急いで古いノキアの携帯を取り出してメールボックスを開くと、案の定'句点'からの返信があった。最初の一文は国際病院に行くなというもので、その後で彼女に会いたいと書かれていた。
「あなたの言う遠山正はこの人のこと?」夏川清美は携帯を男に見せた。
結城陽祐は内容を簡単に確認し、複雑な眼差しで夏川清美を見つめた。「そうだろうな。でも、お前たちはどういう関係なんだ?」
後ろにいた健二は身震いした。やばい、二少爺様がまた嫉妬モードに入ってきた。