第440章 今後誰かにいじめられたら、私を頼って

一行は大講堂を出ると、雲さん、結城叔父さん、健二に出会った。

健二は夏川お爺さんと韓さんのお母さんがここにいるとは思わなかった。183センチの大柄な男が嬉しそうに駆け寄り、「夏川お爺さん、韓さんのお母さん、どうしてここに?私たちを見に...へへ...へへ...」

話の途中で、健二は二つの冷たい視線を感じ、思わず身震いして一歩後ずさり、何が起きているのか分からなくなった。

しかし韓さんのお母さんは先ほどの一部始終を見ていて何かを察したようで、前に出て健二に笑顔で言った。「あら、健二じゃない。また会えるなんて偶然ね。夏川お爺さんが医科大学で弟子を探しに来て、ちょうど三人の女の子を選んだところで、学校の理事の正陽様と出会って、一緒に食事することになったの」

「ああ、そうですか」健二はだいたい理解した。つまり夏川お爺さんと若奥様も知らない振りをしているということか?

「清美、あれはお母さんの妹さんとお兄さんじゃない?」夏川清美もこんな場面に出くわすとは思わず、少し気まずそうに頷き、最後に健二を指さして、「ああ、これは私のいとこです」

健二は自分のいとこという立場がようやく正式に紹介されると聞いて、得意げに一歩前に出た。「みなさん、こんにちは。私は夏川清美のいとこの健二です。健二兄さんと呼んでください」

「あなたのいとこ...?」岡田千明は目の前の背が高くがっしりとした、小さな目で坊主頭、少しクールでかっこいい大男を見て、夏川清美の方を振り向いた。

夏川清美は頷いて、「うん、いとこ」

「すごくかっこいい」女子学生は目を輝かせた。象牙の塔で長年過ごしてきた彼女は、このような硬派で男らしい雰囲気の男性を見たことがなく、一瞬にしてフェロモンに包まれたような感覚になった。

健二はその声の方を見ると、若奥様の隣に小柄で可愛らしい女の子がいて、丸い杏眼で純真な表情で自分を見つめているのが目に入り、瞬時に魅了されて、少し照れくさそうに後頭部を掻いた。

「間抜け!」

しかしそのとき、夏川お爺さんが不適切なタイミングで一言放った。

健二は我慢できずに爆発しそうになった。この嫌な老人は何なんだ?年寄りのくせに、なんてうるさいんだ!