第439章 頑固爺さんVS豚野郎

結城陽祐は三人が夏川お爺さんを拒否し、夏川お爺さんをその場で困らせるのを見て、思わず笑いそうになった。

しかし、このお爺さんがこんなに頑固だとは思わなかった。事態が急展開する中、自分のぽっちゃりくんがどうするか気になっていたが、彼女の言い表せない表情を見て、さらに気分が良くなった。

この祖父孫は本当に面白い。

先ほどまで三人に「厚かましい」と叱責していた宗像武山は、今や三人を見て笑みを浮かべており、まるで子供を誘拐する怪しいおじさんのようだった。

三人は背筋が凍った。

「えーと...」

そのとき宗像武山は咳払いをして、「入学式はこれで終わりです。皆さん、解散してください」

そして、人々が立ち上がる前に、夏川清美たち三人を指さして、「君たち三人は残って、師匠と対面してください」

三人は「...」

彼女たちは既に断ったはずなのに?

強制的に買い取られるなんて!

しかし、彼女たちが断る前に、学科の責任者がいつの間にか三人の前に現れ、従わなければ強制的に連れて行くぞという態度を見せていた。

「選択の余地はありますか?」岡田千明は自分の学科主任を見て、弱々しく尋ねた。

鈴木真琴はクールに髪をかき上げて、「たぶんないわね」

二人は夏川清美を見た。

夏川清美はため息をつき、「実は師匠を持つのも悪くないかもしれない」

「演技がうまいわね」神崎裕美は自分の犬も食わない心情をどう表現すればいいか分からず、夏川清美の言葉を聞いた後、激しく二文字を投げつけて、怒りながら大講堂を出て行った。

岡田千明は笑って、「私たちのことを気に入らない人がいても、どうすることもできないのが好きよ!でも、清美、本当に縁起物の生まれ変わりじゃないの?」

夏川お爺さんの弟子になるなんて、岡田家でさえ想像もできないことだった。

鈴木真琴はそれを聞いて、同意を示した。

夏川清美は気まずそうにした。彼女はあの頑固なお爺さんが自分の祖父で、しかも実の祖父だということを彼らに言えそうにない。これは全く縁起物とは関係ないのだ。

「もういいでしょう。あなたたち三人は本当におしゃべりね」担当の教師は三人がまだ動かないのを見て、嫌そうに催促した。

三人はようやく仕方なく校長と夏川お爺さんの方向へ歩き始めた。