第437章 夏川お爺さんが講堂に乱入(下)

全校の教職員と学生たちは、身動きひとつせずに聞き入っていた。

医科大学の学生として、彼らは夏川お爺さんの名前を聞いたことがないかもしれないが、夏川先生の天才的な名声は必ず耳にしていたはずだ。

彼女の死は医学界全体に衝撃を与え、国内の権威ある医学専門誌は彼女を追悼するため、一冊丸ごと彼女の生涯を特集したほどだった。

先日、彼女の手術器具一式がチャリティーオークションで2億円で落札され、彼女の名声は頂点に達した。

この人が夏川先生の祖父で、漢方医学界の重鎮だというのか?

そして今、医科大学で弟子を取ろうとしているのか?

みんなはこのお爺さんの気性には感心しないものの、もし本当に彼の弟子になれれば、夏川先生の師弟になれるということで、それだけでも一生安泰だろう?

しかも夏川先生は心臓外科の加藤院長の師妹でもある。このお爺さんを師匠として迎えれば、加藤院長とも繋がりができる。