第435章 デブが二少を好きだなんて、ふさわしくないでしょう?

夏川清美の言葉に、鈴木真琴と岡田千明も思わず笑みを浮かべた。

そのとき、彼女たちの後ろから皮肉な声が聞こえてきた。「自分の姿を鏡で見たことないの?正陽様を好きだなんて、分不相応よ」

夏川清美「……」

可愛い女の子たちの中にも、いつも不協和音を奏でる人がいるものだ。

鈴木真琴は顔を曇らせ、「私たちが分不相応なら、あなたは相応しいの?」

「ふん、もちろん碧里ちゃんの方が相応しいわ」神崎裕美は得意げに言い、隣の美しい少女を見やった。

夏川清美たちはそこで初めて、神崎裕美の隣に座っている気品のある、比類なき美しさを持つ少女に気付いた。彼女も桃のような瞳を持ち、小さな顔立ちで、化粧も非常に洗練されており、周りの男子学生たちの視線を集めていた。

神崎裕美の言葉を聞いて、その少女は彼女の手を軽く引いた。「裕美、正陽様には婚約者がいるのよ。そんなことを言うのは良くないわ」