2年生の授業はそれほど大変ではなかった。
専攻が分かれたとはいえ、実際の授業内容にはあまり違いがなく、主に授業時間が異なるだけだった。
夏川清美、岡田千明、鈴木真琴たちは臨床医学専攻で、ほとんどの時間、三人の授業は重なっていた。
岡田千明は特に嬉しそうで、夏川清美も悪くないと思い、鈴木真琴はクールな短髪を揺らした。
午後、夏川清美は教室に行ったが加藤迅の姿は見えず、密かにほっとした。
しかし加藤迅がいなくなった代わりに、夏川清美はクラスメートたちの熱烈な歓迎を受けることになった。ただし今回は彼女が厳しく禁止したため、誰も手を出すことはなかった。
夏川清美は戦慄を覚えながら首を振った。若い男女の情熱を本当に実感した。
そのとき、隣の黒川花音が彼女を突っついた。
夏川清美は横を向いて、照れ屋の少年を見て、ため息をついた。「もう無理だって言ったでしょう?」
「そうじゃなくて、これに参加する?」黒川花音は自分の手にある用紙を指さした。
夏川清美が見ると、それは国内で毎年開催される大学生医学技術スキルコンテストだった。入賞チームのメンバーには豊富な賞金が与えられ、特に優れた成績を収めれば、医科大学研究院のメンバーに選ばれる可能性もあった。
「興味ないわ」夏川清美にとって、この種の大学生医学スキルコンテストは子供の遊びのようなものだった。大人の彼女が参加するのは気が引けたし、それこそ人をいじめるようなものだった。
しかし彼女がそう言うと、黒川花音は明らかに落胆した様子で、夏川清美もあまり実力がないのだろうと思い込んでしまった。
夏川清美はあまり気にせず、配られたばかりの教科書を開いた。基礎的な内容ばかりだったので、適当にカバンに詰め込んだが、近くに座っていた神崎裕美が二人の会話を聞いていたことには気付かなかった。
彼女は従姉から金と贈り物をもらっており、今は夏川清美を恐れているものの、結局のところ欲望と憎しみが理性に勝り、以前の方法が使えないなら知恵で勝負するしかないと決意した。
今がちょうどいい機会だった。
林夏美が大学生医学スキルコンテストにさえ参加する勇気がないということは、彼女には実力がないということではないか。コンテストに参加したがらないのは、負けるのが怖いからに違いない。